普段は私たちの生活に溶け込んでいる自動ドアですが、故障して初めて不便さに気づきます。自動ドアの耐久年数は10年〜15年です。使用環境によりますが10年前後でいろんな故障が発生し始めます。ここでは自動ドアの症状から故障の原因を知り、自分で対処できるモノ、専門業者に相談すべきモノの判断基準を解説します。
■タッチ式センサー
■光線式センサー
自動ドアの故障原因を知る前に、まず自動ドアのタイプを把握しておきましょう。すべての自動ドアにはセンサーが取り付けてあり、その働きでドアの開閉を行っています。センサーには大きく分けて2種類のタイプがあります。
■タッチ式センサー:ドア面に取り付けられているタッチ式センサーを手で押すことによりドアが開きます。
■光線式センサー:赤外線やマイクロ波によって物体を検知しドアが開きます。
その他にも、マット式センサーなどもありますが、かなり古いタイプの自動ドアで近年はほとんど見かけなくなりました。まずはご自身の自動ドアの開閉のメカニズムを知ることが、故障の原因を突き止めるファーストステップになります。
故障した自動ドアに見られる症状としては「自動ドアが勝手に開く」「自動ドアから異音がする」「開閉時の動きが遅い」「センサーが反応しない」の4つの症状が現れることが多いです。ここではこの4大症状の原因を解説します。
誰もいないのに自動ドアが勝手に開く、こんな症状が頻繁に発生する場合下記の故障が疑われます。
■センサーの故障
正常時はセンサーが感知している範囲内に動く物体が入ることでドアが開くが故障により、誤動作が発生している。
■コントローラー(コントロールボックス)の故障
自動ドアの開閉を制御しているコンピューターの基盤の故障により誤作動が発生している。
自動ドアから異音がする場合の原因としては、下記の故障が疑われます。
■自動ドア本体が何かに引っかかっている。
出入りの際、ドアにぶつかる等の衝撃によりドアがずれ上部のドアカバーや下部のガイドレールにドア本体が当たっている。
■レールやローラーの劣化
自動ドア内部にあるレールやローラーが経年劣化により変形し、動作時のガタつきが発生している。
開閉時の動きが遅い場合の原因としては、下記の故障が疑われます。
■コントローラー(コントロールボックス)の故障
自動ドアの開閉を制御しているコンピューターの基盤の故障により誤作動が発生している。
■ベルトの劣化
自動ドア内部にはモーターの回転をドアの動きに変換し伝えるベルトがあり、そのベルトが劣化し緩みが生じることでモーターの空回りが発生している。
センサーが反応しない場合の原因としては、下記の故障が疑われます。
■センサー、タッチスイッチの故障
ドアの開閉を起動させる、タッチスイッチもしくは上部のセンサーの不調により故障が発生している。
■コントローラー(コントロールボックス)の故障
自動ドアの開閉を制御しているコンピューターの基盤の故障により誤動作が発生している。
誰もいないのに自動ドアが勝手に開く、こんな少し怖い症状の原因になるのがセンサーの検知範囲に異物が入ってしまう場合です。
■原因
といった何でも無い事が原因になっている場合があります。
■対応方法
自動ドアが頻繁に勝手に開く場合、ドア周辺に余計なモノがないかチェックしてみよう。
自動ドアからの発生する異音にも様々なパターンがありますが、自動ドアの下部からの金属音がする場合、ご自身で修理出来る場合があります。
自動ドアの床面にはガイドレールと呼ばれるレールがあり、このレールのくぼみは小石やゴミなどが溜まりやすく、異音発生の原因になる場合があります。またガイドレール内の異物により自動ドアの動きが阻害され、開閉時の動きが遅くなったりしている場合もあります。
■対応方法
自動ドア下部のガイドレールの清掃、異物の除去によって自動ドアの異音、動きを解消。
タッチ式センサーの自動ドアのタッチスイッチを押しても自動ドアが開かない。こんな症状の時、タッチスイッチ内の電池が切れが疑われます。
タッチ式センサーの自動ドアが開かなくなったという相談ではこの電池切れのケースがかなりの割合を占めます。
メーカーにもよりますが電池の寿命は一日500回の使用で3年ほどとなっており、コンビニなど利用者が多い場所では、寿命は短くなります。
■対応方法
タッチ式センサーの電池切れの場合、カバーのネジをはずし電池交換で動きます。
自動ドアの調子が変だなと感じた際は、よくある症状から原因をさぐり、次に自分で直せるかパターンでないかを確認してみてください。それでも解決しない場合は、残念ながら専門業者への依頼が必要になります。自動ドアの耐久年数は10年〜15年ほどなので修理・交換が必要な時期は必ずやってきます。
適切なタイミングで適切な業者に依頼し、適切な方法で修理・交換を行う事が、安全に長く自動ドアを使う事に繋がります。Step2では適切な業者選びの方法を解説します。